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インドネシア・90年前に作られたバリ島の守護像ハノマン(猿軍団の将軍)
ヒンドゥー教を生活の基盤に据えるバリ島では、各家々に家族のためのプラ(ヒンドゥー寺院)があります。そこには色々な神々が祀られています。しかし、そのほとんどは石像です。ここに紹介する守護像(ガーディアン)は、非常に稀な木彫です。それもツーリスト向けに彫られた土産物とは格が違います。4世代およそ80年にわたって(GBIが入手するまで)、ある家族の守護像として、戸外で悪霊払いの役目を演じてきた実績があります。通常この種の守護像は、世襲財産として、朽ち果てるまでその役を果たします。そのため、このように古い木彫りの守護像を入手することは極めて困難です。しかしながら、新しい守護像の製作を前提に手放すことになったとのことです。
像は、ハノマン(Hanoman)です。ハノマンは、インドの古代叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する、超能力を持った猿軍団の将軍です。バリ島ばかりではなく、ワヤンを通じてインドネシア、特にジャワ島では、誰もが知っている英雄の猿です。ラーマの妻シンタが誘拐されたときに、その救出劇で大活躍したのが、他ならぬハノマンなのです。このため、ハノマンは「忠誠」、「奉献」そして「勇敢」のシンボルとして人々に愛されています。
サイズは、高さが43cm。台座の直径は約11cm、高さが6.5cm。像の最大横幅はおよそ12cm、最大奥行きも約12cmです。重さは670グラム。映像ではよく分かりませんが、濡れると 見事な彩色が施されていることに気付きます。朱色に近い赤、そして黒と白、黄。雨に濡れると、驚くばかりの変身を遂げます。但し、1世紀弱の間、戸外に置かれていたため、背中やお尻部分に虫食いの跡があり、また冠の後部に一部の欠落があります。しかし、こうした時代が作った傷跡が、少しも像全体の価値を下げていないところに、このハノマン像の凄さが感じられます。 インドネシア文化宮は、インドネシアの24時間ニューステレビ局『メトロTV』東京支局がプロデュースするインドネシア情報発信基地です。
インドネシア文化宮ブログサイト:http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/

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